このたび、第10回日本呼吸理学療法学会学術大会を2024年9月7日(土)と8日(日)の二日間、新潟市において開催させていただきます。今回の学術大会のテーマは「呼吸理学療法の新たな展開:-The first step toward the next decade-」とさせていただきました。

呼吸理学療法が本邦で行われるようになったのは1950~1960年代、当初増加する肺結核そして肺結核後遺症の症例を中心とした介入の必要性があったためと言われています。それから半世紀を過ぎ、呼吸理学療法は当初の肺結核後遺症や慢性閉塞性肺疾患・間質性肺疾患といった慢性呼吸器疾患に対するのみではなく、肺がん・食道がん等に代表される外科周術期症例、そして集中治療領域での人工呼吸器管理症例など、その対象疾患および治療領域に関して以前からは想像もできないような進捗を遂げてきました。その折、2019年12月中国河北省武漢にて報告されたのち世界的パンデミックとなった新型コロナウイルス感染症の爆発的増加とそれに伴う急性・重症呼吸不全症例の発生に際しては、感染症対策や人工呼吸器・人工心肺管理中での腹臥位療法や早期離床の実施など従前の本邦における呼吸理学療法から更に数歩前進した取り組みが各地で実践報告されており、臨床における確実の進歩を感じ心強く思う所です。
 
このように翻ってみると、本邦における呼吸理学療法は内的・外的な要因の影響を多々受けながらもその歩みを止めず、現在までに至っています。第10回の節目となる当学術大会ではこれまでの呼吸理学療法のあゆみを総括し、これからの10年に向かい我々呼吸を専門とする理学療法士が何を考え・何を学び・何をすべきなのか、全国から集う皆様と共に考え大いに語り合いたいと思います。今回も日本呼吸理学療法学会理事のお力添えを得ながら、当会専門会員や評議員そして一般会員の皆様にも積極的に御参加頂き,魅力あるシンポジウムや講演を企画するよう準備を進めています。また、我々理学療法士のアイデンティティでもある「臨床・教育・研究」の三分野の学びを得られるようなセッション構成も考えております。一般演題においては例年通りその中からセレクション演題を選出し、優秀演題を決定します。会員の皆様には研究報告にとどまらず,症例報告から臨床でのアイディア,新しい取り組み,問題提起等々広く募集いたしますので,奮ってご応募頂きたいと思います。
 
雪国新潟とはいえ9月初旬は天候にも恵まれる時期で、季節柄最も過ごしやすい時期でもあります。そして会場となる朱鷺メッセは信濃川と日本海を一望できる眺望も備えております。感染状況にもよりますが可能であれば是非会場で皆様とお会いし、これからの呼吸理学療法に関しての知見を深めることができればと望んでおります。準備委員一同,多くの皆様の御参加・御来場を心よりお待ち申し上げます。

 
 
第10回日本呼吸理学療法学会学術大会
学術大会長 瀬崎 学
(済生会新潟県央基幹病院)

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